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床版の劣化現象および床版補強工法に関する解析的検討
研究活動の概要
- 研究者名
横山 広*1・浦 修造*2・関口 幹夫*3・堀川 都志雄*4
*1国土開発センター 設計事業部構造部主席技師
*2国土開発センター 設計事業部構造部リーダー
*3東京都 土木技術支援・人材育成センター
*4大阪工業大学工学部 都市デザイン工学科工博 - 研究期間
平成21年~23年 - 協力研究機関
特になし - 研究内容
劣化床版の水平ひび割れの発生原因と、上面増厚工法におけるはく離問題に関する解析的な検討を3次元弾性論に基づく厚板理論によって実施した。何れの問題も横せん断応力の影響が大きいと推察され、局所的な応力分布の厳密解を得ることで詳細に検討した。その結果、劣化床版では横せん断応力のピーク値は上側鉄筋付近に発生し、水平ひび割れの発生位置に一致すること、コンクリートに着目した場合の鉄筋の断面減少でひび割れ発生と進展の危険性が増加することが推察された。上面増厚工法では既設コンクリートとの境界面での横せん断応力は防水層で設定されている規格値を超過しており、はく離の可能性がある。 - 発表事例(本論文の参考文献)
1.横山広,堀川都志雄,川崎文義,渡邊悠輔,久保善司:凍結防止材の影響を受けた構造物の実態調査,土木学会中部支部研究発表会,pp.423
-424,2008.3.
2.横山広,篠原晃,関口幹夫,堀川都志雄:ゴムタイヤ式輪荷重走行試験機による道路橋床版の疲労耐久性評価手法,構造工学論文集,
Vol.50A,pp.999-1006,2004.3.
3.横山広,安東祐樹,谷口義則,関口幹夫,堀川都志雄:局部はく離を考慮した輪荷重下における舗装と床版界面の応力解析,構造工学論文集,
Vol.53A,pp.980-987,2007.3.
4.関口幹夫,横山広,堀川都志雄:リブ付き多層版解析による各種補強床版の実測たわみの評価,構造工学論文集Vol.54A,pp.442-
451,2008.3
研究成果またはアピールポイント
昭和40年代の道路橋床版のひび割れ損傷に起因して疲労劣化の解明が積極的に進められ、輪荷重走行試験の開発によりそのメカニズムはほぼ解明されている。
しかしながら、アルカリ骨材反応などの材料劣化が内包される場合の耐荷性、耐久性は未解明である.本研究では弾性理論を用いた解析的アプローチによりその問題に取り組んでおり、材料劣化が耐荷性に及ぼす影響を明らかにした.
今後の目標
床版構造における材料問題の解析的アプローチを進め、床版の補修・補強設計や新規床版の設計にも役立つ情報を提供する。